オタマボヤ 深海のオタマジャクシ。泳いでいるのか!?

オタマボヤ 深海生物紹介

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出典:Solvin Zankl Photography
小さくて可愛いオタマジャクシのような生物、オタマボヤです。
ダイバーさんも遭遇する事が多い、不思議で可愛いプランクトンです。

  • オタマボヤ綱
  • 生息地域:世界中
  • 体長:数mm~数十mm
  • 学名:Appendicularia

ホヤのなかまでは、幼生時にオタマジャクシのような形をしているものが多くおり(尾索動物)、成長すると変態して固着性の成体となります。
はい、出ました変態さんです(笑)

子供ころはつまり、ふらふらと漂うのですが、大人になると定住するというパターンが多いようです。

ところが!

オタマボヤはその名が示す通り、大人になっても尻尾がなくならず風来坊…一生プランクトン生活をすることになります。
大人になってもフラフラしている所から、海洋界の寅さん…とでも言っておきましょうか。

ちなみにプランクトンの定義はコチラ。

プランクトンとは、浮遊生物のことであり、水中を漂って生活する生物を指す言葉である。ケイソウや小型甲殻類、クラゲ、魚類の幼生など、様々な分類群に属する生物を含む。遊泳能力を全く持たないか、あるいは遊泳能力があっても水流に逆らう力が軽微であったり比較的小型の生物であるため結果的に漂うことになる生物が大部分である。(wikipedia)

浅い海水域にたくさん生息しているので、正直深海生物としてカテゴライズできるというと微妙なところなのですが、種類によっては深い所ですと水深3600mまで生息しているという情報もあります。

泳いでる?泳いでない?

そんなオタマボヤですが、ガンガン泳げそうな立派な尻尾があるのになぜプランクトンというカテゴリーなんでしょうか?
それは、この動画を見ればちょっと納得です。

泳いでます。はい。
ガンガン尻尾を動かしているのですが、何かこう…浮遊しているだけのような感じですよね(笑)

そして、よーく見ると、オタマボヤの周りには、うっすらと膜のようなボールのようなものがあるのがおわかりでしょうか?

これ、実はハウス(泡巣)というもので、すごく不思議な物体なんです。

ハウスの特徴

ハウスは、成体となったオタマボヤの表皮から分泌され、オタマボヤはハウスをまといます。
このハウスはタンパク質とセルロースでできた、泡のようなボールのようなものですね。なんだかプニプニしていそうです。

ハウスの役割としては、水を吸い込み、噴出させると同時に、海水に含まれる微粒子レベルのプランクトン、有機物がオタマボヤ本体のエラに入るのを手助けしているそうです。
なんでも、プランクトンの濃度を高め、吸引をかなり効率化させているとの事。

もうどんな仕組みなのか、人間からはかけ離れすぎていて、あんまりイメージできません(笑)

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出典:富戸DIVE空間
とにかく、このプニプニのボールのような物体が周りをくるんでいて、推進力ともなると同時に食事の手助けもしてくれる、という便利アイテムのようですね。
なんだか、こういうアトラクションをイメージしてしまうのは私だけでしょうか!?

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一発で酔いそうです(笑)
坂道の多い場所でやるのは危険そうですね~。

サルパといい、オタマボヤといい、ホヤの仲間は人間の常識を超えた生き方をしている方々がたくさんいらっしゃいます。

サルパ 深海生物紹介
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使い捨てのハウス

そして、このハウスですが、使い捨てです(笑)

大きくなりすぎたり、フィルターが詰まったりすると、ハウスを脱ぎ捨て、また新しいハウスを作ります。
そのペース、実に一日に数回というから驚きです(笑)

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出典:大阪大学理科学研究科
そんなにすぐダメになってしまうハウスですが、一応体から作っているとのことで…そんなにエネルギー消費して大丈夫なのでしょうか?
…って、きっと大丈夫だから成り立っているんでしょうね。大きなお世話でした…

「あの店、いつも全然お客さん入ってないけどやっていけてんのかな?」

という心配をしてしまうのと同じ気持ちにさせられます(笑)

さらに、ジャンジャン捨てられてしまうハウスですが、そこは母なる海。
これが実はマリンスノーになり、別の生物たちの大事な大事な栄養になっていくというから納得です。

世の中うまく回ってるものだな~と感じる心温まるエピソードですよね(笑)

バイオマス的に二番目の勢力

そんな小さくて可愛らしい謎生物であるオタマボヤですが、海洋のバイオマスでは、二番目の地位を持っているとの事!!
海洋のバイオマスでは、以前にもご紹介したみんなの大事な栄養源であるオキアミが圧倒的に一位の地位を占めておりますが、その次にオタマボヤがいるということになるのでしょうか?

オキアミ 深海生物紹介
出典:wikipedia とっても有名ですが、あまり注目されないこのオキアミ。 どちらかというと様々な深海魚、深海生物のみならず、海...

だとしたら、なかなかのもんです。
サルパ、オキアミ、オタマボヤあたりでかなり海の業界を仕切ってるという事になりますね(笑)

フロリダの10~15mの深さでの観測によると、1立方メートルあたり平均329.8個のハウスが見つかっており、オタマボヤの量のハンパなさに感服です。

1立方メートルあたり300個て…口をあけたらハウスが入ってくるレベルです…ハウスいやあああぁぁ!!

あっさりと数日で

そしてオタマボヤは通常、数日でその生を終えてしまうそうです。

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出典:Snot Houses
可愛くて、小さくて、儚い生物なんですね…なんだか地球の神秘を感じる生物です。
彼等の一生は実に短いですが、その命が海のベースとなるマリンスノーを作り、そこから豊かな海、豊かな地球が作られていくんですね…ロマンです。

オタマボヤのグッズを何かデザインするとしたら、ハウスは絶対にセットですね!!!間違いない!!


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